リロケータブル(再配置可能)プログラムとは?
リロケータブル(再配置可能)プログラムの特徴を簡単に解説します。
- どこに置かれても正常に動作する性質
- 英語表記は “relocatable”
- 相対アドレスを使用
順番に見ていきましょう!
①リロケータブルとは?
リロケータブルとは、プログラムがメモリ内で自由に位置を変えられる性質のことです。
具体的には、プログラムが起動する際、メモリのどこに置かれても正常に動作する能力を持っています。
この特性により、プログラムはメモリ空間の制約から解放され、より効率的なメモリ管理が可能になります。
②リロケータブルの英語表記
リロケータブルの英語表記は “relocatable” です。
この言葉は、『再び』を表す”re”と『居場所を特定できる』という意味を持つ”locatable”で構成されており、合わせて『再配置可能』となります。
プログラムがメモリ内の任意の場所にロードされても正常に実行できることを示しています。
③リロケータブルの仕組み
リロケータブルの仕組みは、相対アドレスを使用して実現されます。
これは、プログラムがメモリ内の任意の位置に配置できるようにし、実行時に基準点からの距離(オフセット)を基にメモリアドレスを動的に決定します。
その結果、プログラムはメモリの位置に依存せず、システムのメモリリソースを効率的かつ柔軟に利用できます。
自由に位置を変えられるという点が重要だよ!
リロケータブル(再配置可能)プログラムのメリット
リロケータブル(再配置可能)プログラムのメリットは以下の通りです。
- メモリコンパクションに対応
- メモリのスワップに対応
- マルチタスキング環境での効率化
順番に見ていきましょう。
①メモリコンパクションに対応
メモリコンパクションは、断片化されたメモリを再整理し、連続した空き領域を確保するプロセスです。
リロケータブルプログラムは、メモリ空間内で自由に移動できるため、メモリコンパクションを容易に行えます。
これにより、メモリの断片化を効果的に解消し、プログラムやシステム全体の効率を向上させることができます。
②メモリのスワップに対応
メモリスワップは、システムのメモリが不足した時に、使用中のデータをハードディスクに一時的に移動させることで、メモリ空間を確保する手法です。
スワップアウトは、メモリからディスクへデータを移動させる操作を指し、スワップインはディスクから再びデータをメモリに戻す操作を指します。
リロケータブルはこの動作をスムーズに行えます。
③マルチタスキング環境での効率化
現代のコンピューティング環境では、複数のプログラムが同時に実行されるのが一般的です。
リロケータブルはメモリ内で動的に再配置することが可能であるため、実行中の各プログラムに対して最適なメモリ空間を割り当てることができます。
これにより、リソースの衝突を避け、全体的なシステムの効率と反応性を向上させることが可能です。
メモリ不足を解消しやすいね!
リロケータブル(再配置可能)プログラムの具体例
次にリロケータブル(再配置可能)プログラムの具体例を見ていきます。
- スマートフォンのアプリ
- USBドライブや外部ストレージ
- ブラウザの拡張機能
順番に見ていきましょう!
スマートフォンのアプリ
スマートフォンのアプリケーションは、デバイスのメモリ内で動的にロードされ、実行されます。
これらのアプリは、オペレーティングシステムによって異なるメモリアドレスに配置されることがあり、同じアプリでも異なるインスタンスや実行時には異なるメモリ位置にロードされることが一般的です。
USBドライブや外部ストレージ
これらのデバイスから実行されるプログラムやアプリケーションも、接続されたコンピュータの任意のメモリアドレスにロードされる可能性があります。
これは、プログラムがあらかじめ特定のメモリアドレスを想定せずに設計されている場合に特に当てはまります。
ユーザーが異なるコンピュータにデバイスを接続するたびに、プログラムはそのシステムの利用可能なメモリスペースに適応してロードされます。
ブラウザの拡張機能
ブラウザの拡張機能は、ブラウザが起動するたび、または新しいタブやウィンドウが開かれるたびに、メモリ内の異なる位置にロードされることがあります。
これらは特に位置独立コードを使用しており、その実行はブラウザのメモリ管理システムによって動的に管理されます。
これにより、拡張機能はブラウザのセッション間で効率的に動作し、他のプロセスや拡張機能とのリソース競合を最小限に抑えます。
意外と身近な場所で使われているね!
リロケータブル(再配置可能)プログラムの関連用語
次にリロケータブル(再配置可能)プログラムの関連用語を解説します。
- リエントラント(再入可能)
- リユーザブル(再使用可能)
- リカーシブ(再帰的)
順番に見ていきましょう!
リエントラント(再入可能)プログラム
リエントラントとは、同じプログラムが複数の場所から同時に実行されても、うまく動くプログラムのことです。
例えば、割り込みが起こって、途中で別のプログラムに移る場合でも、元のプログラムの状態やデータが維持されるように作られています 。
※re=再び entrant=入ってくる人
リユーザブル(再使用可能)プログラム
リユーザブルとは、主記憶装置に読み込まれたままのプログラムが、何度も利用できるプログラムのことです。
例えば、よく使われるプログラムは、実行後も主記憶装置に残しておくと速度が上がります 。
リユーザブルプログラムは、一度に実行できるのは一つだけですが、リエントラントプログラムは複数できます。
※re=再び useble=使用できる
リカーシブ(再使用可能)プログラム
リカーシブとは、プログラムの中で自分自身を呼び出すことができるプログラムのことです。
例えば、階乗やフィボナッチ数列などの計算は、再帰的な方法で簡単に書けます 。
ただし終了条件を正しく設定しないと無限ループが発生してしまうため、気を付ける必要があります。
※recursive=再帰的な
英単語で分解すると覚えやすいね!
まとめ|リロケータブル(再配置可能)プログラムとは?
カテゴリ | 詳細 |
---|---|
リロケータブル | 実行時にメモリ内の位置を変更可能なプログラム |
英語表記 | Relocatable |
メリット | メモリコンパクション、メモリスワップ、マルチタスキング環境での効率化 |
具体例 | スマートフォンのアプリ、USBドライブのプログラム、ブラウザの拡張機能 |
関連用語 | リエントラント、リユーザブル、リカーシブ |
リロケータブルは、メモリのどこに置かれても正常に動作するという性質です。
動的に再配置することが可能であるため、マルチタスキング環境で効率的に作業できます。
具体例としてスマホアプリやブラウザの拡張機能で使われます。
今回の内容を簡単にまとめて本記事を終わりにします。
それでは次の記事でお会いしましょう!
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